編集サヴマトンカラー
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2010/05/23 [Sun] 17:20:50 » E d i t
前エントリーで「トヨタF1 最後の一年」の感想を書きましたが、このタイミングでこの本を読んだのにはちょっとした理由がありました。

トヨタ、F1復帰の意向はなし (5月19日-F1Gate.com)

このニュースの中での山科さんの発言が、Twitterなどのメディアで話題になりました。

以下抜粋:
トヨタF1チームで代表を務めた山科忠は、トヨタは「エリート主義」のF1に復帰する意向はないと述べた。

山科忠は、トヨタの新たな優先事項は、アメリカのNASCARやドイツのニュルブルクリンク24時間レースのようなファンとの触れ合える草の根的なレースだと語る。


(中略)

「豊田社長のモータースポーツへのスタンスは、より顧客に向けたものになっています。F1と実際のトヨタ車ユーザーとの間には大きな隔たりがあります」

F1は自動車レースの頂点もままであるが、そのイメージはあまりにも「エリート主義」になったと山科は語る。

山科は、ニュルブルクリンクなどのレースでは、ファンがピットレーンに入ってチームと交流し、クルマに触ることができ、雰囲気を楽しみ、イベントの一員だと感じることができるが、F1レースの平均的ファンはパドックを歩くこともできないと語る。

「そのようなことをする余裕がある幸運な一部のファンにとっては、十分かもしれません。私は、最高のレースとは、人々がレースに親近感を持てるものだと思っています」


Twitter上では「山科さんが本当にこんなことを言ったの!?」「これが山科さんの本心だとしたら残念」といった感想が多くを占めました。僕も最初知ったときは驚きました。なぜなら、山科さんは最後までF1を愛し、F1存続のために尽力した人の一人なのだから。撤退会見での涙も印象的でした。





この「山科発言」を自分なりに噛み砕いてみた結果、おそらく山科さんが本当に言いたかったことは下記のようなことではないか、と考えました。

「レースほど興奮し、楽しいものはない!しかし我々(レースをする側)の楽しさをF1ではファンにうまく伝えられなかった。だから、今後は違う舞台(ファンとの垣根の低い場)でレースの魅力を多くの人に知ってもらいたい!」


「トヨタF1 最後の一年」の中でも書かれていましたが、山科さんはTMG会長就任まで全くモータースポーツとは無縁の部署にいました。つまり彼にとってF1が初めてのモータースポーツの仕事場でした。

toyotaf1_lasty1.jpg

僕は、山科さんという人はF1という世界の中で、華やかで常にアドレナリンが放出されるようなある種「麻薬」のような魅力に取り憑かれてしまったのではないかと考えています。だって、大企業とはいえこれまで普通の会社員だった人が、いきなりF1チームの代表ですよ(彼がTMG会長に抜擢されたのは、多国籍チームを一つにまとめる人身掌握術に優れていたかららしい)!現実から一気に夢のような世界に飛び込んだと表現しても、大げさではないでしょう。

だからこそ、F1撤退が現実のものとなったあの会見で、山科さんは大粒の涙を流したのです。一緒に戦ってきたスタッフのこと、ドライバーのこと、そして夢から覚めてしまったことを悲しんでの涙だったのだと僕は解釈しています。

F1の世界で身をもってレースをする楽しさを知った山科さん。「F1はエリート主義」と発言したのは、もしかしたら麻薬の快楽から自分を遠ざけるための発言だったのかもしれません(考えすぎ?)。彼の知ったモータースポーツの楽しさを、他のカテゴリーで僕らに伝えてくれることを願っています。


photo by yunick'09

テーマ:F1全般 - ジャンル:車・バイク

コメント
この記事へのコメント
そもそも・・・
以下私見です(笑)。

 そもそもF1の成り立ちがヨーロッパの上流階級の娯楽から始まったものと思います。なので、山科さんのエリート主義云々は、視点をF1サイドから見てみれば、全くあたりまえの事なのではないかと思います。会社の方針でF1という世界に異動され、そのエリート主義を実際に目の当たりにして、彼個人の思うモータースポーツとファンとの距離感とは随分かけ離れている点に気づかれたのだと思います。しかし、トヨタ企業のいち会社人としてはF1のなかで参戦している間はチームの代表でもありますし、それを表には出せなかったのではないでしょうか。私はこのような話があっても、「トヨタという企業の豊田社長の部下」である山科さん個人の話であって、将来またトヨタが方向転換してF1に参戦しようという話になれば、それを妨げるものでは全くないと思っています。ゆえに私は「山科さんのトヨタF1は将来復帰しない」が、彼以外のトヨタF1は十分に復帰はあり得る話だと感じています。
2010/05/23 Sun 21:36:34
URL | eiichi #i9KaXSbg[ 編集 ]
Re: そもそも・・・
eiichiさん、コメントありがとうございます!

>会社の方針でF1という世界に異動され、そのエリート主義を実際に目の当たりにして、彼個人>の思うモータースポーツとファンとの距離感とは随分かけ離れている点に気づかれたのだと思>います。

そうかもしれませんね。F1でモータースポーツの楽しみと同時に反省すべき点も見てしまったのかも。

>ゆえに私は「山科さんのトヨタF1は将来復帰しない」が、彼以外のトヨタF1は十分に復帰はあ>り得る話だと感じています。

山科さんの「F1復帰はしない」発言は、彼個人の意見ではなくトヨタの現在の方針を代弁しているだけだと解釈しています。彼自身もチャンスがあれば止めないはずです。


僕は最初、山科さんの言葉が、トヨタが「F1を撤退した理由」について、さも「F1自体が我々の思っていたモータースポーツではなかったから」と言っているように聞こえて仕方ありませんでした。それではまるで、トヨタがF1活動を続けていた8年間を自分自身で否定するかのようにも聞こえます。山科さんがそんなことを言うはずがない、というところから、今回僕なりに山科さんが何を思って発言したのか考察してみたわけですが・・・。

なかなか言葉足らずですみません。ですが、僕もeiichiさんと同様、トヨタF1の復帰は会社の方針次第ではあり得ると思っています。
2010/05/23 Sun 23:29:43
URL | yunick #-[ 編集 ]
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