編集サヴマトンカラー
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2011/02/09 [Wed] 21:00:00 » E d i t
モータースポーツジャーナリストの大串信氏が、AUTOSPORT誌の連載コラム「全日本MS会議vol.8」の中で「レース業界のガラパゴス化」についてこう指摘しています。

独自の進化を遂げたスーパーGTは、我が国が誇るべき固有種であると思う。近年、DTMとの交配が取りざたされているけれども、固有種という誇り、そのDNAを残すという意志を確立していなければ、単なる交雑に終わってしまうのでは、と心配でならない。



私も氏と同意見で、欧州レースとの統一化、画一化は必ずしも歓迎されるべきものではないと考えています。GTにはGTならではの良さがあり、それを最大限生かすことの方が日本のモータースポーツにとってプラスになるのではないでしょうか。

ここで、中編で投げ掛けた問いへの私なりの答えを明示したいと思います。日本のモータースポーツが今取り組むべきこととは何か?それは、国内自動車メーカーや参戦チームが魅力を感じられるレース環境づくりである、です。

では、具体的にどうしていくことが望ましいのでしょうか。

・「走る実験室」の復活

日本独自の固有種として成長したGTであるならば、その独自性を十二分に生かすべきです。例えば、セミ耐久というロングディスタンスで争われるレースの性格を生かし、ハイブリッドテクノロジーやディーゼルエンジン、天然ガスエンジンなどをレギュレーションで認める、というのはどうでしょう。日本のレース界は今、欧州に比べて環境技術の面で遅れています。というか、レースに「環境」という思想を持ち込むことにえらく消極的であるようにさえ見えます。

2010年のニュルブルクリンク24時間レースに出走した「ポルシェGT3Rハイブリッド」は、F1名門チームであるウィリアムズ製の機械式KERSが搭載され、話題を呼びました。そしてあわや優勝という活躍を見せたのです(最終的にはトラブルでリタイア)。F1から生まれた技術が耐久レースでその効果を実証してみせた・・・これはまさにレースが今もなお「走る実験室」であることを証明していることに他なりません。

こうしたハイブリッド技術は、距離の短いDTMのようなスプリントレースでは採用する必要性は少なくても、セミ耐久レースのGTにおいては、導入する意義は非常に大きいと思います。レースの現場は、常に技術競争の場であることこそが望ましく、GTにはそうした土壌となり得る可能性が秘められているというのが私の考えです。

そしてもう1点、同じく「走る実験室」を復活させるという観点で提案したいのは、コンセプトカーをレースに出走させるということです。いわゆるモーターショーなんかで出てくるアレです。

というのも、現在のGTはすでに市販されている車をレース用に改造して走らせるというのが通常です。そこで、新たに「レース車両→市販車」の流れを作るのです。自動車は、何度も走行実験を繰り返してようやく世に送り出されます。ならば、その走行実験場をレースで代替しようというわけです。

ル・マンなどは、各メーカーがプロトカーとしてレース専用車両を出していますが、それと似た感じを想像してもらえればと思います。GTでは、ル・マンのプロトカーより市販車に近い形状と性能でありながらも、市場よりも先行してレースに投入。その後、一般市場で販売というプロセスを取ることで、今までレースを見たことのない人にレースの存在意義を知ってもらうことができるのではないでしょうか。レースとは”車を走らせる”という極めて単純かつ重要な場である、ということを再認識してもらうのです。

・構造を見直すための議論を

しかし、そうしたGTならではの技術規則の導入も、もはや規定路線となっているDTMとの車両規定統一によって難しくなるでしょう。今とっては、車両規定の統一がチームの参戦コストの大幅な削減につながることを願うばかりです。

現在、GTにも経済不況の影響は確実に出始めています。また、新カテゴリー「JTCC」の設立が発表されて久しいですが、そこへ参戦するチームが現れたという話は全く聞きません。スーパー耐久もST-Xクラスを設け、GT3クラスマシンを招聘してカテゴリーの活性化を図ろうという試みを見せてはいますが、いずれもレースファンの興味を引くことだけに終始し、本当に日本のレース業界を考えた方策とは言い難いというのが率直な印象です。

今、日本のレース業界は構造そのものをもう一度見直すべきときが来ています。そのためにはまず、レースに関わる全ての人たちが、カテゴリーの枠や立場を超えて一堂に議論のテーブルに着くことを強く求めます。

gt_column3.jpg

・終わりに-今のモータースポーツメディアに物申す

いちレースファンが大それたことを書こうとして見事に失敗し、空回りに終わってしまったような気がしてならない今回の記事・・・。私なんかよりもはるかに見識のある人たちから見れば、「何を言っているんだ」「全く分かっていない」などと文句の一つでも言いたくなるような内容だったかもしれません。

しかし、それでも私が書こうと思ったのは、こういうことを書く人間が日本のレース界にあまりにも少ないと思ったからです。メディアの皆さん、あなたたちしか持ち得ない情報、知識をもっと有効に使ってください。モータースポーツへの機運を高め、活発な議論を呼ぶような、そんな一石を投じる記事を書いてください。よろしくお願いします。


photo by yunick'10
コメント
この記事へのコメント
コンセプトカー!?そりゃダメっしょw
毎年コンセプトカーとか名打って、新車投入=開発コストの高騰で撤退の昔の図式ですやんwww
2011/12/09 Fri 10:30:47
URL | 通りすがり #-[ 編集 ]
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